Composeにおけるremember
とmutableStateOf
の使い方
Jetpack Composeでは状態管理が重要な要素です。特にremember
とmutableStateOf
は、UIの状態を効果的に管理するために頻繁に使用されます。
remember
の役割
- 状態の保存:
remember
はコンポーザブル関数が再コンポーズされる際に状態を保持します。これにより、ユーザーの操作や外部からのデータ更新によってUIが再描画されたときに、ユーザーが入力した値や選択したオプションがリセットされることがありません。
mutableStateOf
の役割
- リアクティブな状態の生成:
mutableStateOf
は値が変更されると自動的にその値を参照しているUIを再描画します。これはReactのuseStateに似ており、UIの特定の部分を動的に更新するために使用されます。
remember
とmutableStateOf
の組み合わせ
@Composable
fun ExampleTextField() {
var textState by remember { mutableStateOf("") }
TextField(
value = textState,
onValueChange = { textState = it }
)
}
この例では、rememberとmutableStateOfを組み合わせることで、テキストフィールドの状態が再コンポーズを跨いで保持されます。rememberがない場合、テキストフィールドは再コンポーズの度に初期化されてしまうため、ユーザーの入力が消えてしまいます。
rememberを使うべきタイミング
- ユーザー入力の保持: ユーザーがフォームに入力するデータなど、UIの状態をセッション間で保持する必要がある場合。
- 計算コストの高い値: 計算にコストがかかる値を再コンポーズの度に計算しないように保持する場合。
rememberを使わないケース
- 一時的な値: 一時的なフラグやカウンターなど、再コンポーズによってリセットされても問題のない値。
- 再コンポーズに依存する値: 例えば、親コンポーネントからプロパティとして渡される値は、再コンポーズのたびに更新されるべき値である場合があります。