ASP.NET Core: UseAuthentication
と UseAuthorization
の順序の重要性
ASP.NET Coreにおいて、ミドルウェアの順序は特に重要です。中でも、UseAuthentication
と UseAuthorization
の順序は、セキュリティ上の理由から正確に配置する必要があります。
なぜこの順序が重要なのか?
- UseAuthentication: このミドルウェアは、HTTPリクエストから資格情報を読み取り、
- それを現在のユーザーとして認識します。このプロセスの後、ユーザーの情報やクレームはユーザーのコンテキストとして利用可能になります。
- UseAuthorization: このミドルウェアは、先に識別されたユーザーの情報を基に、特定のリソースやエンドポイントへのアクセスを許可または拒否します。
この順序を逆にすると、認可の際にユーザー情報がまだ読み取られていない可能性があります。そのため、認可プロセスが正しく機能しなくなる可能性があります。
実体験
Identity Serverのチュートリアルを進めている際、私はUseAuthentication
とUseAuthorization
の順序を誤って逆にしてしまいました。結果として、TokenやScopeは正常に発行されていたにも関わらず、Protected APIへのアクセス時にUnauthorized
エラーが発生しました。このエラーには少し手間取りましたが、この順序の重要性を改めて認識する良い機会となりました。
まとめ
認証は「誰か」を特定するプロセスであり、認可はその特定された「誰か」が何をしていいのかを判断するプロセスです。したがって、まずユーザーを特定する必要があり、次にそのユーザーの許可されたアクションを判断します。この順序を逆にすると、認可の判断が正しく行えなくなる可能性があります。
参考リンク
- [MSドキュメント]ASP.NET Core のミドルウェア